雲は空に浮かんでいるので、小さな
水滴とか氷の粒によってできていると
言われると、ちょっと不思議な感じも
しますが、微細な水の粒が関係して
いるわけです。(べつの惑星だと、
また違ったりしますけどね)
で、その粒ですが、空気中の水分が
微細な氷の粒になるには、核となる
ような細かい塵が必要です。
ときどき飛行機がつくる雲(飛行機雲)
を見かけますが、あれってジェット
エンジンの排気に含まれる微細な塵に
周囲の水分がくっついて、雲に
なっています。
●●●
氷が多く含まれると、雲としては
薄くなってしまうようで、雲が薄いと
太陽光を通しやすくなると考えら
れています。
ただ、雲の中では氷点下になっても、
核となる粒子が存在しなければ、凍る
ことができないので、氷が多い雲に
なるかどうかは、大気中の塵の量が関係
すると言われています。
11月18日の朝日新聞(夕刊)に載って
いたのですが、極地研のチームが
2019年にノルウェーに行って上空の
微粒子(エアロゾル)濃度を1年間追跡
してみたところ、春先から夏にかけて
劇的に増加していたらしいです。
顕微鏡で見ると、カビの胞子や鉱物の
かけらが検出されたそうですが、
粒子が増えると氷の粒ができやすく、
雲を薄くする可能性があると言うのです。
●●●
上空のエアロゾル量が増える原因と
しては、雪解けなんかで、地表の粒子が
放出されたとも考えられるわけですが、
そうだとすると、温暖化が進んで雪や氷
が減ると、よけいにエアロゾルは舞う
ことになります。
同じ極地研が2021年に出した報告によると、
北極大気中のエアロゾル量は、中緯度で
起きた森林火災の規模に支配されて
いるようです。
温暖化が進んでも、地表の水分が蒸発
して雲をつくり、太陽光をブロックする
という単純な話ではなさそうです。