2025-12-02

瀬戸内の牡蠣

瀬戸内で牡蠣が不漁になっているようで、
新聞記事になっていました。

養殖カキの生産量の8割を占める瀬戸内海で、
カキが大量死している。生産量全国トップの
広島県では、水揚げしたカキの9割が死んで
いた海域もあり、瀬戸内海周辺の特異な
気象状況が影響した可能性がある。
(2025-11-30, 朝日新聞)

災害級というぐらいの状況らしいですが、
記事に載っていた図を見たら、瀬戸内だけ
でなく、閉鎖海域でもなさそうな徳島や
愛媛の太平洋側でも例年より「へい死」が
多くなっていました。

広島県水産課の担当者は高水温と高塩分に
よる生理障害と推測し、環境生態学の先生は
貧酸素に注目していましたが、特定まで
には至っていないようです。

中国地方は統計史上で最速の梅雨明けで
雨量が少なかったので、高温で高塩分に
なっていた可能性はあると思います。
実際に広島沿岸の海水温は平年値より
1.5-2.0℃高かったそうです。
ただ、高温に強い(産卵しない)品種
でも被害が出ているらしくて、
複合要因があるのかも知れません。

●●●

・・・で、ここからはボクの勝手な
推測ですが、もしかしたら、台風の影響
がなかったことが関係しているのでは
ないかと思っています。

今年は、例年に比べて日本列島を直撃
するような台風は少なかったような気が
しているんです。それはそれで助かる
部分もありますが、台風が来て海水に
擾乱(じょうらん)を起こしたり、
雨を降らせることで陸上からの物質輸送
が促進されたりする側面もあって、
そういうのが微妙に作用したのでは
ないかということです。(知らんけど)

まえに東北で牡蠣を養殖している人が、
近隣の山の状態が牡蠣の生育に関係して
いると話していたのをテレビで見た
ことがあるのですが、そういう感じの
「陸と海のつながり」があるような気が
しています。