2025-07-05

ensemble

水曜の演習ではExcelを使った簡単な
シミュレーションにチャレンジして
もらいました。非線形の振動型グラフ
描いてもらって、わずかに初期値を
変えただけでも、グラフの形が大きく
違ってくるというのを確かめて
もらいます。

で、その流れで気象の長期予報は、
どれだけ観測の精度や計算の精度を
あげても、ピタリとあてることは
できないから、わずかに条件を変えて
何通りもの計算結果から、確率的に
判断している・・・という話をして
います。

そういうのをアンサンブル予報と
いうわけですが、いまどきは別のアプ
ローチがあって、現象によっては
そちらのほうが予報精度が高かったり
するみたいなんです。

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ご想像の通り、AIによる予報です。

運動方程式を使って確率的に答えを
出すというよりは、過去の気象データを
AIにパターン学習させることによって、
予報するわけです。もちろん、膨大な
データを学習させる必要がありますけど、
計算コストが低いわりには、台風の
進路とか、台風による波高をこれまでの
計算方法より精度よく予測した実績も
あるそうです。

A foundation model for the Earth system
Nature 641, 1180-1187, 2025
doi.org/10.1038/s41586-025-09005-y

もちろん、まだ手放しで信頼できる
わけではないと思いますが、そのうち
計算とAIのアンサンブルになる
のかもしれません。