2025-10-07

キムタク細胞

ノーベル賞を受けた人たちが発表され
ました。生理学・医学賞については阪大
の先生を含めたチームがとったみたい
です。血液には血球成分として、赤血球と
白血球があるわけですが、赤血球が
1種類であるのに対して、白血球はいくつも
種類があります。そのうちの1つがリンパ球
ですが、今回の研究は、そのリンパ球に
関するものだそうです。

白血球は免疫を担っていて、体外から
侵入した異物(ウイルスなど)を攻撃する
とか、異物が侵入した細胞を壊すような
働きをするものがあります。リンパ球も
白血球の一種なので、そうした働きを
するわけですが、司令塔的に動くものも
いるんです。たとえるなら「こんな種類の
ウイルスが侵入したから、作戦Aで対応
します」みたいな働きをします。

で、この司令塔の中には「免疫に抑制する
やつもいた」という発見が受賞に結び
ついたようです。

異物と判断したものを何でも攻撃すると、
うっかり自分が起源の物質にも反応して
しまうことにもなって(そういうのを自己
免疫疾患という)アレルギー反応が
起きたりするので、免疫反応に対して

ちょ、まてよ。(キムタク調)

と、たしなめるブレーキ細胞が存在した
というわけです。

(アニメ「はたらく細胞」を見ている人
にはヘルパーT細胞の秘書、早見沙織の
ことだと言えば、わかるかも...)

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免疫にブレーキをかけるというのは、
本来的な働きとは逆行しそうですけど、
自己免疫疾患を防止するためには必要だし、
臓器移植による拒絶反応を抑制する
技術にも応用できる可能性があります。

それから、この細胞によって、免疫が
弱められると、がん細胞への攻撃も抑制
してしまうことがわかっているので、
この細胞を意図的に眠らせて、がん治療
をする方法も研究されています。